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火星 [その他]

ここ何回か、Blogっぽい記事(?)が続いてましたので、またちょっと趣向を変えてみました。

アーモダインの物語では、火星の存在が重要な位置を占めています。
現在、地球外での恒久的な植民地候補として、火星は最も有力視されているようです。2004年にはブッシュ大統領が火星有人探査に関する構想を発表しており、まったくの絵空事ともいえない時代ともなりました(その後の話はあまり聞きませんが・・・)。

もっとも、近未来においても火星への植民はそれほど容易なものではないでしょう。居住に適した環境を作るなら、火星よりも地球の砂漠の方が何倍も楽ですが、それすら行えていないのですから。
ということで、アーモダインの世界でも、一応植民そのものは行われたものの、本当の意味での成功を見ていない…という設定になっています。そして、この過酷な環境と苦難の歴史が、そこに住む人間の価値観を変え、地球との間に不毛な対立を呼ぶことになってしまうのです。

では、そのアーモダインの世界での火星とは、どういう場所なのでしょう。
火星の住民は、基本的に地下生活者です。地表に見える構造物は、地下からつながる、通信施設、展望施設、農業施設、放熱塔など、ほんの一部でしかありません。
火星の気温・気圧はいまだ低く、宇宙放射線に対する対策(軌道上のMPフィールド)も、完全には機能していません。当然、人間が生命維持装置無しで屋外に出れば、死んでしまいます。
植民初期には、テラフォーミングも試みられました。
しかし、それは思うようには進まず、特定の地域にようやく遺伝子操作された植物がかろうじて生息できる…程度にしか至っていません。


(コロニー外部。小規模のもの。マリネリス峡谷に最大のコロニー群が存在します。)


(コロニー内部。住居もある地下街、といった感じですね。)

そんな環境ですので、火星住民は常に生命の危険と隣りあわせで生活しています。施設の破壊が即、住民の死につながるため、治安や秩序の維持は彼らにとって重要な問題です。
そこから、徹底した教育、管理主義、秩序への忠誠、犯罪への厳しい対処という、火星特有の価値観の一端が生まれることとなりました。

また、火星には、生活に必要な資源の一部がかなり不足しています。それらの多くは地球から輸送されていましたが、それが滞るようになってからは、自給でなんとかするしかありませんでした。
ゲーム中に登場するアンブロという食品も、そのような状況から生まれたものです。

また、当然火星ではリサイクルの必要性が高いわけです。ゴミとして単純に捨てられるものは少なく、ほとんどは何らかの形で再生されます。住民自身でさえ例外ではありません。窒素や燐などは火星では貴重です。彼らは死後火葬などにされず、「資源としてリサイクル」されます(例えば、「肥料」として・・・)。

これらのことは、入植初期の火星人にとっても抵抗のあるものでしたが、彼らは生き延びるためこれを受け入れざるを得ませんでした。
火星の指導者(為政者)は、このような特殊な慣習を正当化し、ともすると地球に対して劣等感を抱きがちな住民を鼓舞しました。そして、その指導者が科学者であったがことが、火星人の価値観のもう一端である、科学的合理主義、唯物主義(無神論)的価値観を助長したのです。

ストーリー中では、火星人は地球人から見ると違和感を感じる存在として描かれています。しかし、それは、彼らの歴史がこのような背景を持っているからです。
現実世界でも、国や地域による価値観の違いを、お互いに違和感と感じることがありますが、それと同じことです。
それそのものが決して悪というわけではない…というのは、プレイしてくださった方なら分かってもらえてますよね?

大宮ソフト 神宮


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